SSブログ

「殺人の門」 [本]

殺人の門

殺人の門

  • 作者: 東野 圭吾
  • 出版社/メーカー: 角川書店
  • 発売日: 2006/06
  • メディア: 文庫

文庫本で新刊で出ていたので買ってみました。
600ページもある分厚い本。
殺したいけど殺せない。
殺すには何が必要なのか。
そんなことがオビに書かれていました。

小学校の時に出逢った同級生。
奇妙な縁が大人になってからも続きます。

主人公は
学生の頃から悲惨な環境で育ちます。
祖母の死に始まり両親の離婚、父親の失踪。
学校ではいじめられ。
その上初恋が破れ、その相手が自殺。
強く、たくましくならないと生きてはいけない状況。
読んでいて胸が締め付けられました。

ようやく社会人になり自立して生きていけるようになります。

忘れた頃に同級生は現れて主人公の人生をわき道へそらせようとうまい言葉で誘います。
何度も繰り返されるわけですが、途中で気付けばいいのに。
いや、気付いてはいるんです。
気付いてはいても誘われてしまうのです。
何か魅力がある人なのかもしれない。

でも何度も巧みな言葉で騙し、責任を押し付ける。
そんな人と関わらなければいいのに。
そうはわかっていても関わらないわけにはいかない。
似たようなことが私にもあるのでよくわかります。

何度か殺す機会があるもののその一歩が踏めません。
用意周到に挑むのに。
最後の方で出逢う刑事に言われます。
殺すには動機以外にタイミングなどいろんな要素が必要だと。
何かの引き金があってはじめて殺人の門をくぐれると。

同級生は主人公ではない人物に刺され植物状態に。
そうなって初めて明らかになることが。
主人公の学生時代の不幸のきっかけを作ったのが同級生だった。
植物状態の同級生に手をかける。

殺してしまったのかどうかは曖昧なまま。

殺人の門をくぐらずにすんで良かった。
独立するまでの主人公の環境は苦しいもので本当読んでいて苦しい。
でも自業自得なところもたくさんあったから大人になってからの主人公には同情できない。

前に読んだ「悪意」は殺した後に動機を仕立て上げたお話。
東野圭吾は動機に興味があるみたい。
トリックの解明とかもおもしろいけど人の心の方が興味があるからこういうお話は好き。


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:日記・雑感

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。